短文だからこその特徴

以前からちびちびと読んでいた塩野七生の『チェーザレ・ボルジア
あるいは優雅なる冷酷』をやっと読み終えた。彼女の書くものは個性的といえば個性的だが、とにかく「ホントにここまで必要か!」と叫びたくなるほどこまごまと執拗に、ねちっこく、ねちっこく書きつづけているので、とても忍耐を必要とする。

なんかコンプレックスでもあるの?
そう問いたくなるほど、必要とは思えないような描写が続く。全体にハサミを入れ、60%ぐらいにすっきりとまとめたら、一気に読めて、ダイナミックな読みごたえがあるのではないだろうか。

彼女の著作でイタリア語に翻訳されているものはないと聞く。本家のイタリアにしてみれば、わざわざ日本人に教えてもらう必要などないわけで、それを承知で書く彼女には(もしかすると)、「日本人しか相手にしてくれない」という憾みもあるのだろうか。とても面白い内容なのだが、煩雑で冗漫な分、面白みが削減される・・・・・・部分もある。

だが、エッセイ集『男たちへ』は面白い。短文集だけに、だらだら書くわけにもいかず、彼女の視点や感覚の良さが生きている。

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