身近な食品問題

食品に季節感がなくなり、一年中、何でも食べられるようになってきた。数日前も、娘が「あべかわ餅を作ろう」と言って餅を焼いていた。ところが、完成したあべかわ餅を食べて、「うっ!
なに、このきな粉、マズゥ~」。台所に行ってきな粉の袋をみると、賞味期限が2006年7月と表示されている。ムムム、3年3カ月も前のか......。

テレビでは、時々食品メーカーの賞味期限切れを報道し、家内はそれを見て「信じられないよね」と憤慨しているが、自分の家の食材が食品メーカーとは比較にならないほど荒廃していることを知らないようだ。

先日も昼ごろ、「お腹すいた~」と家内が言う。休みの日は私が料理をつくることが不文律のようになっているので、何かつくれと催促しているのだ。冷蔵庫に煮込み用のうどんがあった。ちょっと寒くなってきたので、昼だけれどうどんすきにでもしよう。土鍋に鶏肉、うどん、野菜類を入れ、にんにくの丸ごとを3つほど投げ込んで煮立てた。

我が家には、こういう料理をポン酢で食べる人間と、めんつゆで食べる人間がいる。で、ポン酢とめんつゆの両方を出したのだが、封の開いたポン酢の賞味期限が「2008年7月」になっていた。1年3カ月も前だ。

賞味期限の「賞味」とは、「おいしく食べる」ことを意味する。だから期限が過ぎても喰えることは喰える。味が劣化するだけのこと。そこを勘違いして、賞味期限を過ぎると喰えないと思っている人もいる。アメリカのスーパーなどでは、「BEST
BY 15/10/09」と表示されることが多い。「2009年10月15日までベストの状態」という意味だ。日本の賞味期限も、ニュアンスとしてはそれに近い。

しかし、いくらなんでも2008年のポン酢は......と思い、台所の棚をあけてポン酢を探す。未開封のものが1本出てきた。「2008年3月」。もっと古い。未開封とはいえ......。ついでに冷蔵庫の奥の方の食品を調べると、納豆の4つパックが2009年8月3日、ジャムが2008年5月、お湯で溶くだけの味噌汁エキスが2008年9月、ラベルの剥がれたビン類に至っては、賞味期限を確認する方法がない。もしかすると昭和の生き残りかもしれない......。

なんとなく寒気がしてきてドアを閉めた。

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